第320章

前田南が頷くと、二人の間に再び沈黙が降りた。

その時、鈴を転がすような澄んだ子供の声が、南の背後から響いた。

「ママ、パパと何のお話してるの? どうしてククには内緒なの?」

ククの突然の言葉が、気まずい沈黙を打ち破る。

前田南はほっと息を吐き、慌てて振り返ると、ククの小さな手を取った。

「なんでもないのよ。パパとお喋りしてただけ。クク、一人じゃ退屈だった? ママと一緒にオモチャで遊ぶ?」

ククはぱちくりと瞬きをすると、瞳を悪戯っぽくくるくると動かし、望月琛に向けて甘えるように微笑んだ。

「ククね、ママとパパと一緒に遊びたいの。いい?」

外はすでに夜の帳が下り始めている。自分と...

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